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ノーコード受託開発(Bubble)(海外代表例: AirDev)

knowledge/cases-smb/no-code-agency.md

frontmatter

このファイルの構造化フィールド

model name
ノーコード受託開発(Bubble)(海外代表例: AirDev)
origin
米国 / ノーコードプラットフォーム Bubble.io(2012年ニューヨークで創業)
origin year
2015
japan status
growing
japan entry year
2021
time lag years
6
jp precursor
零細規模の受託システム開発(フリーランスSE・零細SIer)自体は1990年代から日本に存在。ただし「ノーコード専業の受託エージェンシー」という形態は2021年以降
monetization type
service
startup cost
ほぼゼロ
time to first revenue
1〜3ヶ月(低単価の初受注まで)。生活可能な水準の副収入化には概ね1年前後の事例が多い
required skills
Bubbleのデータベース設計とワークフロー構築 外部API/Zapier連携 基本的なUI/UXデザイン 要件定義とクライアント折衝力 JavaScript基礎(プラグインカスタマイズ時) AIプラグイン(OpenAI API等)組み込みの基礎知識
ai leverage
Bubble公式AIアプリビルダー(2024年6月導入・2025年2月強化、2025年10月にAI Agent機能追加)でUI・ワークフローの雛形生成が数秒で可能になり試作速度は上がったが、Bubble社自身が「AIが書いたコードは本番運用に耐えない」と主張し保守性・ガバナンスで差別化を図るなど、vibe codingツールとの競合圧力が強まっている
saturation jp
実査: "Bubble 案件 ランサーズ" "Bubble crowdworks 案件" で検索 → 国内Bubble特化の受託会社は十数社程度(EPICs・C3reve・Swooo・ノーコード総合研究所等)にとどまり、Lancersの「Bubble」タグ出品(パッケージ形式)は50件のみ。個人がフリーランスとして独立を公言する事例はnote上で散見される程度で、一般的なWeb制作・SES系フリーランス案件と比べると市場は薄く、飽和には程遠い
income evidence
claimed
confidence
probable
verified
adversarial-20260718
sources
https://bubble.io/blog/who-makes-your-software/ https://www.einnews.com/pr_news/624798856/airdev-co-reaches-milestone-with-100-developers-to-become-the-world-s-biggest-no-code-development-agency https://www.airdev.co/bubble-development https://nocodesemi.epic-s.co.jp/about/ https://press.portal-th.com/archives/25350 https://epic-s.co.jp/news-bubble-agency/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000133503.html https://nocoderi.co.jp/company/ https://zenn.dev/sociareer_blog/articles/b1c5dc25c01cc3 https://nocoderi.co.jp/2025/04/01/bubble%E5%8F%97%E8%A8%97%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%A1%88%E4%BB%B6%E7%8D%B2%E5%BE%97%E3%80%81%E5%8D%98%E4%BE%A1%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97/ https://www.lancers.jp/menu/tag/Bubble https://note.com/kitahiroki11/n/nff95ef00134d https://note.com/small_biz_lab/n/n2d3de66536a7 https://forum.bubble.io/t/are-bubble-devs-doomed/363521 https://crowdworks.jp/public/jobs/12061038

本文

## 概要(何のモデルか) ノーコードプラットフォーム(代表格は Bubble)を使い、プログラミング未経験〜軽度の経験者が個人または少人数チームで、企業・スタートアップの業務アプリやMVP(Minimum Viable Product)を受託開発するビジネスモデル。フルスクラッチ開発に比べて開発期間・費用を1/3〜1/2程度に圧縮できる点が営業上の武器で、単発のMVP開発案件(数十万円〜数百万円)と、継続的な保守・機能追加(月額契約)の2段構えで収益化する。monetization_type としては純粋な受託の「service」型であり、自社プロダクトを持つ SaaS モデルとは区別される。 ## 海外での成立過程(誰がどう食えるようになったか) Bubble.io は2012年にニューヨークでJosh HaasとEmmanuel Straschnovにより創業されたが、「個人・小規模チームがこれで食える」ことを最初に実証したのは2015年創業の AirDev である。創業者のAndrew HallerとVlad Leytusはハーバード経営大学院卒のMBAホルダーで、プログラミング経験はほぼゼロだった。スタートアップを立ち上げようとしたがエンジニア採用に行き詰まり、Bubbleを独学。4日間で構築したTwitterクローン「Not Real Twitter」がHacker Newsで話題になったことを転機に、経営コンサルの職を辞めて正式にAirDevを設立した(出典: bubble.io公式ブログ、AirDev自社サイト)。AirDevはその後、AT&T・CVS・Microsoft・HPなど大手企業のBubble開発を請け負う規模まで成長し、2023年3月時点で開発者100名を抱える「世界最大のBubbleエージェンシー」となった(出典: einnews)。 その後、2018〜2019年にはWebflow主催の「No Code Conf」(サンフランシスコ、400名以上参加)が開催されるなど、"no-code" というカテゴリ自体がメディア・カンファレンスを通じて認知される段階に入り、Bubble開発者向けの案件マーケットプレイス(Experts Directory)や、Bubble公認エージェンシー制度も整備されていった。Bubbleの開発者数は2021年時点で100万人、2024年7月時点で400万人超、2025年時点では600万人超・累計720万件超のアプリがリリースされるまでに拡大している(出典: Zenn記事、複数のノーコード解説記事)。 ## 日本の現状(実査) 実査: "EPICs株式会社 ノーコード Bubble 設立" で検索 → 日本のBubble特化受託会社「EPICs」は2021年5月設立、2024年4月にBubble社の正規代理店(Silver Partner相当)に認定されたことを確認(出典: EPICs会社概要、プレスリリース)。同様に「ノーコード総合研究所」(旧・株式会社Earlywolf)は2023年8月設立で、業務委託を含め従業員120名を抱える「国内最大規模のノーコード受託開発会社」を標榜している(出典: 会社概要、PR TIMES)。このほかSwooo(Bubble Silver Partner)、C3reveなど、Bubble公認・準公認の受託会社が2021年以降に相次いで立ち上がっている。 一方で個人フリーランス単位での市場は薄い。実査: "Bubble ランサーズ" で該当ページを直接取得 → ランサーズの「Bubble」タグに掲載されているサービス出品(パッケージ)は50件のみで、価格帯は3万円(簡易開発)〜600万円(大規模SaaS)。実査: "crowdworks.jp Bubble 案件" で検索 → CrowdWorksにも単発のBubble開発依頼は複数見つかるが、Web制作・アプリ開発カテゴリ全体からすればニッチな一角にとどまる。note上には個人の独立体験談(後述)が散見されるが、統計的な母数は小さい。日本語の解説記事(Zenn、2024年7月時点)自体が「国内事例はまだまだ少ない。国外だと事例はたくさんある」と明言しており、成長途上であることが確認できる。 以上を総合すると japan_status は「growing」と判定する。すでに複数の公認エージェンシーが存在し案件単価の相場も形成されつつある一方、個人フリーランスが主戦場とするクラウドソーシング上の案件数は少なく、飽和にはまだ距離がある。 ## 日本で遅れている・空いている理由 1. **英語情報への依存度が高い**: Bubbleの公式ドキュメント・フォーラム・テンプレート資産の大半は英語であり、日本語学習コンテンツが充実し始めたのは2020年前後から。学習コストの言語障壁がそのままラグになっている。 2. **「ノーコード=玩具」という受託業界の先入観**: SIer・SES中心の伝統的受託開発業界では、コードを書かない開発を軽視する文化が根強く、法人発注側の理解が追いつくまでに時間を要した。 3. **国内コミュニティの立ち上がりの遅さ**: EPICs(2021年)、ノーコード総合研究所(2023年)など、Bubble専業の受託会社が日本で相次いで設立されたのはBubble創業(2012年)・AirDev設立(2015年)から6〜11年遅れてのことで、エコシステム(公認パートナー制度・国内コミュニティ・登壇イベント)の成熟にも同程度のラグがある。 ## AIによる構造変化 Bubbleは2024年6月にAIアプリビルダー機能を投入し、2025年2月・10月にも強化を重ねてテキスト指示からUI・ワークフローを自動生成できるようにした。これは「学習コストの低さ」というノーコードの強みをさらに底上げする一方で、Cursor・Claude Code・Replit Agentなどのvibe codingツールが非エンジニアでもコードベースのアプリを直接生成できるようになったことで、ノーコードの存在意義そのものが問われている。Bubbleフォーラムでは「Bubbleスキルは12〜24ヶ月で陳腐化するのでは」という開発者自身の不安が投稿され、業界メディアでも「no-code is dead」論と「AI×low-codeは融合する」論の両方が並走している状況が確認できる(出典: Bubble公式フォーラム "Are Bubble devs doomed?"、The New Stack等)。 Bubble社自身も2025年6月に「vibe-code killer」を掲げた統合Web+モバイルプラットフォームを発表し、「AIが書いたコードは本番運用に耐えず、保守不能な技術的負債になりがちだ」という主張で対抗している。つまりAIによる構造変化は、単純な「効率化」ではなく、**ノーコード受託の生存領域を「単純なCRUDアプリを素早く作る」から「統制・権限・監査が必要な業務システムの構築・保守」「AIが生成したコードのレビューと本番化」という方向に押しやりつつある**、というのが現時点の実態である。 ## 個人が今日始めるなら(具体的な入り方・初期90日) **Day 1〜30: 基礎固めとポートフォリオ** - Bubbleの無料プランでアカウント作成し、公式Academy・YouTube教材で基礎(データベース設計・ワークフロー・レスポンシブデザイン)を学習 - 自主制作で完成度の高いアプリを1本作り切る(マッチングサービス、簡易SaaS、社内ツールの模擬版など)。これが最初のポートフォリオになる - Bubble公式フォーラム・Slack/Discordの日本語ノーコードコミュニティに参加し、情報収集を始める **Day 31〜60: 低単価案件での実績作り** - ランサーズ・クラウドワークス・ココナラに低単価のパッケージ(3〜10万円クラス)を出品し、最初の受注を獲得する - X(旧Twitter)・note で学習ログや制作物を発信し始める(前述の独立事例でも「情報発信からの直接受注」への移行が語られている) - 並行してBubble公認エージェンシー(EPICs、C3reve、Swooo等)のパートナー・業務委託枠がないか確認する。個人では取りづらい規模の案件に、下請けとして参加できる可能性がある **Day 61〜90: 差別化スキルの獲得と単価アップ** - API連携・外部AIサービス(OpenAI API等)組み込みなど、AIツールだけでは代替しにくい「複雑なバックエンドロジック」を扱える案件を意図的に選ぶ - 権限管理・監査ログなど、企業の業務システムに求められる「統制」要件を扱った実績を1件作る - 最初の月額保守契約(継続収益)を1件確保することを目標にする。単発の受託だけでは収益が安定しないため、ここが生活可能な収入への分水嶺になる ## リスクと窓が閉じる条件 - **vibe codingとの価格競争**: Claude Code・Cursor・Replit Agentなど、コードベースでもAIが数日でアプリを組み上げられるようになっており、「単純に早く安く作れる」というノーコードの従来の売り文句だけでは差別化できなくなりつつある。Bubble社自身が「vibe-code killer」を掲げて防戦している事実が、裏を返せば脅威の大きさを物語っている。 - **成長後の「フルスクラッチ移行」需要**: CrowdWorks上には実際に「Bubbleからフルスクラッチ開発に移行したい」という発注が確認できる。スタートアップがシード〜シリーズAで規模拡大するタイミングで、ノーコード基盤からの離脱を求められるケースがあり、受託側の中長期の保守収益が途切れるリスクがある。 - **プラットフォームリスク**: Bubbleは2025年10月に「ワークロードユニット制」の新料金体系を導入するなど、コスト構造がプラットフォーム側の都合で変わる。クライアントの月額コストが急変すれば、契約継続や単価交渉に直接影響する。 - **収入の実態は本人申告レベル**: 本稿で参照した個人の独立事例(月15万円の副業収入等)はいずれも note 上の本人申告であり、第三者による検証・統計データは確認できていない(income_evidence: claimed)。「ノーコードで食える」というナラティブ自体、生存者バイアスの影響を強く受けている可能性がある。 - **窓が閉じる条件**: AIコーディングエージェントが、Bubbleのビジュアルエディタが提供してきた「非エンジニアでも保守できる可視性」「権限・監査などのガバナンス機能」を code-first のまま同等以上に提供できるようになった時点で、ノーコード受託の存在価値の核(=保守性とガバナンスでの差別化)が失われる。単純なMVP制作案件だけを扱う個人・小規模受託者から順に淘汰される可能性が高い。